CLO就任1年を経て、改めて活動を振り返る

じげんの「オフィス移転プロジェクト」において、
Chief Lifestyle Officer(以下CLO)の立場で企画立案からデザイン監修まで、トータルで担当した水嶋ヒロ氏。
CLOとしてオフィスプロデュースで最後まで大切にしたこと。
彼の目からみたじげんの姿とこれから。
そして、そもそもなぜCLOを引き受けようと思ったのかーー。
これまでなかなか発信の機会がなくメッセージとして外部に多くは語られなかったことについて、
移転プロジェクトが完了した今、改めて訊きました。

前編では、CLO就任当時のじげんの印象やオフィスプロデュースで大切にしたい想いなどについて詳しくお伺いしています。

水嶋ヒロ氏がCLO就任に寄せる思いとは? 【前編】

仕事と生活のデザインは自分にとっても身近な課題
だからこそこの仕事を引き受けた

-少し前になりますが、水嶋さんがCLOに就任されたときは多くの人が驚いたと思います。まずは就任の理由を教えてください。

水嶋氏)率直に言うと「ご縁を感じた」という表現がピッタリかと思います。僕は7年前にエンタメ系のクリエイティブ会社を起ち上げたのですが、お問い合わせをいただいたときは、もう少しビジネス分野の活動を広げていきたいと考えていた時期でした。そして、それだけでなくライフスタイルの充実を推進する「CLO」という役割について、共感できるところがあったこともお引き受けした理由のひとつです。

-共感とは?

水嶋氏)自分自身、結婚や子どもを授かったことで生活環境が変わり、仕事と生活の両立に真正面から向き合うことになりました。子育てにコミットすればするほど、いかにその実践が容易ではないか身に染みてわかります。でも、そこで何かを諦めることって、あまり良いことだとは思わないんですね。だからこそ、じげんの皆さんがより良い働き方や生活を設計するために、もしかしたら自分の経験を踏まえて協力できる部分はあるんじゃないかと考えたんです。

「じげんは10周年を迎えて、次のステージへと向かう。でも、同じように社員のライフスタイルの在り方も次の段階へと進んでいくはずだし、会社としても変化に応えていかなければいけない」。平尾社長からそう相談を受けたときに、腑に落ちる感覚があったんです。

-じげんの印象を教えてください。

水嶋氏)本当に失礼ながら、以前はITベンチャーに対して、物事に没頭するオタク気質だったり、発想が柔軟だけどノリが軽くてチャラチャラしてそうだったりと、すごく偏った二極化した先入観がありました。でも平尾社長や社員の皆さんとコミュニケーションを重ねるうちに、実は自分のイメージとはまったく逆で「バランスの良い」といいますか、柔軟なスタンスで仕事をされている、素敵な会社という印象に変わっていきました。

これは勝手な解釈ですが、きっと偏りがないからこそ、色々な志向や価値観を受け入れる土壌があり、そういうところが幅広い事業展開をつなぐ大切な要素になってるのかなと思ったりもして。

とくに平尾社長は、今まで出会った人の中でも突き抜けて聡明な方というだけでなく、大変人間味があって接しやすい方なんです。それに、事業内容だけでなく常に300人以上いる社員さんのことを考え、意思疎通の構築のために努力されている。仕事と生活だけでなく、企業経営もバランス感覚が重要なんだろうなと。これは僕の方が逆に学ばせてもらったことでした。

ゼロからイチへのプロデュース経験は
オフィス作りの監修にも活きた


-そうして就任後、CLOとしての初めての大きなプロジェクトがオフィスプロデュースでした。不安はありませんでしたか?

水嶋氏)もちろん、ありました。僕がこれまで7年間経営してきた会社は、商材が人間だったり、クリエイティビティが常に存在するエンターテイメントの分野だったりと、じげんさんとは大きく異なる領域の事業でした。なので当初は戸惑いましたけど、よくよく考えると「そこにいる人をどう輝かせるか」をプロデュースするという点では、かなり共通している部分が大きいんじゃないかと。

ゼロからのコンセプトメイキングで、付加価値の足し引きをして何かをつくっていく。そのために、周りの人たちはどのようにコミュニケーションを取って意思を揃え、どう立ち回りするかを常に意識する。これはステージ演出であっても、オフィスプロデュースであっても、本質的なところは同じじゃないかと思います。

-オフィスプロデュースにあたって、CLOの立場として大切にしたことは?

水嶋氏)創業10周年のタイミングということで、「次のステージへ」というコンセプトは前提として決まっていました。なので、以前のオフィスの「宇宙」から今回の「和」へのイメージ転換はその決意表明でもあり、ここで働く社員さんにとってのひとつの動機づけとしても機能できれば素敵だなと考えていました。

遊び心は大事。ただ、目先の興奮だけでなく、地に足のついた誠実さも仕事には求められることもあります。ベクトルとしてはなるべく幼稚にならないように、誠実さが伝わるように落ち着いた空間を演出することで、皆さんが気持ちよく働けるような場づくりを意識しました。

-エントランスも以前と印象がガラリと変わりました。

水嶋氏)エントランスはそこで働く人だけでなく、外からもたくさんの人が足を運んでいただく場所です。ゆとりのあるレイアウト設計や「香り」もデザインして居心地の良さを追求するのはもちろん、せっかく来ていただくので心に残る来訪にしたいと思いました。

あと、エントランスは会社の顔とも言えるスペースです。シンボル的なオブジェクトか何かがあるといいのではと思い、武田双雲さんにお願いをして「事業家集団」の書をシンボルとして展示していただきました。じげんで働く人だけでなく、じげんを訪れる人にも「生活機会の最大化」のミッションをきちんと伝えられたらいいなと。

シンボルが掲げられていれば、そこにリアクションがあり、お互いに共有できる考えや感情が発生するきっかけとなります。そうして両者をつなぐことも、「生活と仕事を充実させる」という観点から、プロデュースについて心がけたことのひとつです。

後編につづく)

文:田中 雅大(ペロンパワークス)

「ミノリノ倶楽部」でも近日中に連載第一弾が公開予定ですのでどうぞお楽しみに。

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